(オオー! コイツなら灰原志保の固いガードを崩せるかもねー!)

 頭のキレそうなイケメンで、ちょっとワル…って言う雰囲気の男子が声をかけて来たから、カトリーは事の成り行きをウキウキしながら見守った。

「今はそんな気持ちはないんだけど」

 志保は同じように又、シカトしようとした。
 琉潘(るぱん)って言うDQNネームを持つ男子はすかさず志保の腕を掴む。

「おーっと逃せねーよ」

「離してよ!」と志保は逃げようとするけど、流潘の掴む腕が力強いから振り払う事は出来ない。

「嫌だねー。俺の可憐な手が君を恋しがっているもんでねー」

「なーにワケ分かんない事を言っているのよ? 私は嫌よ」

「俺のハートをときめかせた女子は、絶対に逃げられない運命なんだぜ。諦めな」