「ねぇ、聞いた?檜山先輩のこと・・・・・・。」




「え?聞いてない。どうかしたの?」





「実は先輩、トラックに轢かれて死んじゃったんだって。」




「え!?マジで!?」




「なんかね、塾の帰りだったらしいんだけど、赤信号無視して渡ろうとしたら、そのままトラックに轢かれちゃったんだって・・・・・。」




「何それ、悲惨・・・・・・。」




「んでね、先輩そのまま引きづられちゃったぽくって、見つかった時にはもう、酷い有様だったんだって・・・・・・。」




「ちょっとやめてよ~!」





檜山先輩のことを聞いたのは、翌日のことだった。





私は、あの後、突然強烈な睡魔に襲われてそのまま眠ってしまった。




そこからのことは、あまり覚えてない。





それから、もう1つ。
蛭子さんが、ウチのクラスに存在していなかったことだ。




「蛭子さんって・・・・誰?」





「そんな人いないよー。」




どの子に聞いても「知らない」と答える。





クラスの出席簿を見ても蛭子さんの名前は、どこにも無かった。