白鳥さんはとってもいい人だった。

俺を無視するその辺の女子とは
違って、気さくでほんとにいい子だ。


「ねぇ、秋吉くんだよね?」


「うん、白鳥さん」


「わぉ、私のこと知ってるんだ!
 よろしくね~」

そりゃまぁ、サロン仲間があなたに
恋心抱いてますんで・・・
よく知ってますよ・・・
とは、言えない。


「こちらこそ」


「ねぇ、佐和と秋吉くんは仲いいの?」


「そんなことないわ」

高橋はスッパリと言い捨てた。


「え~~~~~」

俺の抗議も軽く無視。


「ぎゃはははは、なんかおもしろいね」


「そこ!あんまりおしゃべりしてないで
 手の方を動かしなさいよ」

美術の先生に注意された白鳥さんは


「やべ!」

そう言って鉛筆をサラサラと動かすフリをした。


俺の白鳥さんのイメージは
180度変わった。