「ごめん・・・」


なんで謝るんだ、俺。
その一言が佐和をどれほど
傷つけてるかも知らずに・・・。



「なにが?
 それよりも・・・・

 ねぇ、夏休みにはまた、1泊で
 旅行に行かない?」




「旅行???
 無理無理・・・俺、夏期講習あるもん」



「そっかぁ・・・・
 そうだよね・・・」




佐和のくれた最後のチャンスを
俺は、こんな風にあっさり流してしまって
いたなんて、この時の俺は
微塵も考えなかった・・・・。




俺達は1歩1歩と別れへの
道を歩いていたんんだ。



ねぇ、佐和・・・・
他に道はなかったのかな?本当に?