「なんでそんなことしたの?
 話してくれないか?」



俺は極力、穏やかな言葉で
声をかけた。


時間はもぅ11時をまわっていた。



「ん・・・・
 家ってさぁ、けっこう金持ちなんだ」



「うん」



「なんでも欲しいものは買ってくれるし
 別にお金に困ってるわけでもなくて・・


 でもね、家の中は広くて・・・
 家族の絆って言うのかな?


 そういうものって感じたことないんだ。


 親達もさぁ、仲良くなくって・・・


 でも、お金のために別れない。



 そんな感じ。」



「そっかぁ・・」



「で、中学のころに・・・・
 ほんと興味本位ってやつ?!
 ウリしてみたらさ・・・・


 なんか、自分は必要とされてる気が
 しちゃって・・・

 そこには、自分を求めてくれるって
 思えた・・・・・」



それは佐和も言っていたこと。