腹も満たされた俺達はどっちが
切り出すかを、暗黙の中で
探り合っていた。



なかなか切り出さない俺にしびれを
切らして、佐々木が先に口を
開いた。




「白鳥さんは何してたの、あそこで?」



デザートを頬張る白鳥さんが
見る見る固まっていくのが
分かった。



このファミレスに入った時に、
佐々木はわざわざこの席を指定した
意味が俺にはやっと分かった。


コの字型になったこの席に
奥に白鳥さんが座り、両となりに俺と
佐々木が座ると、白鳥さんは
席を立つことができなくなっていた。



逃がさないってことか。