広場の時計が大きな音を発しながら
9時を知らせた。



明日も学校がある。



こんな時間から、白鳥さんが現れる
可能性は低いんじゃないかって
思えた。



でも、俺も佐々木も動けず
ただ、待つ。



現れてほしくない気持ちで。




喫茶店のマスターは、コーヒー1杯で
粘る俺達を疎ましく思うような
素振りも見せず、黙々と
仕事をしている。



ありがたかった。



この街特有の、他人に無関心な
店のマスターに感謝をしながら、
目は窓の外を見続けた。