俺達はだれか事情を知らないかを
聞いてまわっていた。



「なぁ、吉田。
 なんで山下が諦めるって言い出したか
 知らないか?」



「うん。知ってるよ」



「「え?」」



「だから、知ってるよ」



それは10月ぐらいの話。

俺も佐々木も茶道サロンへは、あまり行って
なかったころ。


吉田と山下は2人でサロン後、
一緒に帰っていたときに見たそうだ。




その日、2人は寄り道をしようと
途中下車したらしい。


場所は・・・・・


入学式の日に佐和が降りたあの繁華街。