「今、思えば・・・・
 ただのバカでしかない・・・
 でも、私にお金を払う男には
 私は必要とされてるって・・・

 あの頃はそう思えたの。


 そして・・・私は、妊娠した」



俺は目の前で話す高橋が、近くに
いないような・・・
まるでテレビでも見ているような
そんな気分になっていた。





「前に、噂・・あったでしょ、私の。

 あれ・・ほぼ事実だったの。


 子供は、すぐに堕ろしたわ。
 

 そこで初めて自分のしてきたことが
 バカなことで、忌み嫌う母親と
 変わらないってことを知ったわ」




「・・・母親の方が私よりも
 まだ、ましかもしれない・・・・
 だって、私を産んだんだもの・・・

 美緒とも、もぅウリはしないって
 その頃に決めたの・・・・」



高橋はさっきと変わらず、辛い顔を
していたが、涙は流さないように
しているようだった。



「私は・・・だからあなたには
 ふさわしくないの。

 私には、あなたに好かれる資格が
 ないの。


 これがすべてよ」