病院で飲んだ解熱剤が効いてきたようで
足取りもしっかりしていた。



2人で並んで、高橋の家へと向かう。



なんだかカップルみたいじゃねぇ?!



「ここよ」


そう言って着いた場所は、お世辞にも
きれいとは言えない・・・

はっきり言えば、かなりボロいアパートだった。



鍵を開けて、扉を開くと
小さな玄関で、そこから丸見えの
台所とその奥に和室が見えた。



「上がっていく?」


「遠慮しとく。
 ちゃんと寝とけよ」


「うん・・・」


そう言って帰ろうとする俺に高橋は
小さな声で


「ありがとう」


そう言った。