「どうしても病院行くのが嫌なのか?」


無言でうなずく高橋。
子供のようで、可愛くて、
俺が折れることにしたんだ。


「じゃぁ、家まで送るよ・・・」


「1人で大丈夫よ」


そう言って立ち上がった高橋は
なんだかフラフラしてる。


「そんなんで1人で帰れるわけないだろ!」


諦めたようで、俺と一緒に改札を出た。



駅前に停まってるタクシーに乗り込んで
高橋を強引に乗せる。


「どちらまで?」


「近くの病院まで」


高橋は驚いた顔で、俺を見つめた。


ヒッヒッヒ。
騙して病院まで行く事にしたんだ。



あんな足元もおぼつかない状態で
家に帰って治るとはとても、思えない。