いつものように教室へ入る。


「おはよ」


俺に声をかけてきたのは綾瀬。
あの謝罪から少しずつ俺と綾瀬の距離は
縮まって、大嫌いだったはずの綾瀬とは
挨拶ぐらいする仲になった。


「おう。おはよ」



あったかい気持ちになる。


人といがみ合ったりするのは、とっても
無駄な労力だと思う。


平和主義な俺には、それはすっごい苦痛で
だから、今は綾瀬のことを
憎んだりなんてしてない。


単純な俺はそのほうが向いてる。



佐々木はそんな俺を見て、
つくづくお人よしって言うけどね。