怪訝な顔で俺を見る。

やべ、気付かれた?と、思ったら
何を考えたのか高橋は俺の髪の毛に
触れてきた。



「髪質がやわらかいのね」


触れられたところが、心臓になったように
髪の毛から伝わる高橋の体温を
感じて、俺は柄にもなく真っ赤になった。




好きになるってバカになることなんだ。


俺は高橋佐和に夢中すぎて
心臓すら移動してしまうバカなんだ。


実際は移動してないよ、もちろん。




「真っ赤になってるわよ」


そういう触れて欲しくないことを
濁さずにはっきり言うのが
高橋佐和という人。



「急に触るからだろ~
 セクハラだぁ!!」


むなしく反論してみたけどもっと、
むなしかった。