「あの日、中村は塾を休んでた。
 理由は・・・分かるよな」

俺は黙ってうなずく。


「俺のせいだった・・・。
 授業が終わって、篤は俺を呼び出した。
 2人で缶ジュースを買って・・
 ベンチに座って・・


 あいつは別に怒ってたわけではなくて、
 なんで中村を振ったんだって聞くんだ。

 俺は、理由を言えなかった。
 だって、俺は篤に気を遣ったわけだし


 でもそんなのお見通しだったよ、
 あいつには。

 俺、すんごい怒られて・・・


 今なら、分かるよ。

 俺が逆の立場でも怒るし・・・

 
 あいつはさぁ、自分が中村を幸せにする!
 って俺に宣言して、その場を
 後にしたんだ・・・


 あっけないよな・・・・
 その帰り道に車に跳ねられて・・・」