第12話 対面
「アハハハ!フトシ君、嘘ならもうちょっとマシな嘘ついてよ。」
「いやホントだって!
テレビからこう・・ガバッと!」
「そんなのはホラー映画だけの話でござるよ。」
「ホラーじゃないよ。
だって僕は何もされてないもん!」
「・・じゃあきっと夢でも見てたんだよ。」
仲間達が待つカラオケボックスまでの道中、
この前起きた怪奇現象を坂田氏に報告するけど・・・一向に信じてくれない。
・・そういう僕も、
誰かに説明すればするほど・・
あの時本当に僕は寝ていたのか・・?
と思ってしまう。
あれは現実だったのか・・夢だったのか。
確かに気付いたらベッドで寝ていたし・・
あの時は残業続きでウトウトしながらうちわを作っていたし・・
大西先輩はあれからまたひょっこり会社に現れて、
もの凄い勢いで僕に謝ってきたけど、DVDの話を出したら“なにそれ?”ってとぼけるし・・・
何より会社に置いていたはずの例のDVDはいつの間にかなくなってるし・・・。