「フトシ君!」


「・・ん?」


今度はリアルに呼ばれたので横を向くと、

“キララ命”のハチマキを巻いた坂田氏が僕を見ていた。


「どうかした?」


「いや大丈夫。ちょっと考え事を。」


「困りますなぁ~。
もうすぐでござるよ。」


「うんごめんごめん。」


坂田氏に謝った直後、一斉に照明が消えてステージに明かりが灯る。


僕達観客席から雄叫びにも似た歓声が上がり・・・・


代表曲、“飴ものかと私と元カノ”の前奏と共に・・・


「「「「「◎▽※☆~!!!!」」」


柿ピースの登場で仲間達が一斉にそれぞれの推しメンを叫ぶので、

僕も負けじとヒトミの名前を連呼した。