[よし着いた。

反町、貴公達はここに隠れていろ。
まずは拙者が行って女を油断させる。]


「へへ・・頼みましたよ。」



やがて・・ファンタスティポの入り口が見える位置に到着すると・・僕と反町君達は物陰に身を潜めた。





・・・・反町君・・・・。

・・・・・“こんな時間まで1人夜遊びとは、アイドルの自覚もないクソ女だな”って言ったな。


ヒトミが・・・この時間までずっと1人でダンスや歌唱のトレーニングしてるなんて君は知らないからそんなことが言えるんだ。





・・僕の体を乗っ取る幽霊・・・。


どうしてマスターの言いなりになったんですか・・?

ずっと僕に憑いていたのなら・・
あなたも知っているでしょう・・?


まだ誰もその名前を知らない頃から、
柿ピースがどれだけ頑張ってきたのか。


決して大きくないステージ。


サポーターなんて数人しかいなかった孤独なステージ。


酔っ払いから罵声を浴びせられ、
涙を堪えながら歌いきったステージ。


ヒトミが・・初期メンバーとしてどれだけの不遇を耐えて、努力を重ねて今のポジションを手に入れたのか。


なのに・・・どうして・・!?