「・・・・・・あれ?」


てっきりマスターなりに小声で“おぉ~”って驚いてくれると思ったら・・・

僕のほうを全く見もしないで入り口のドアの鍵を閉めた。


「今日はもうお店閉めるんですか?

・・あ!ひょっとして貸し切りで柿ピース猛勉強体勢ですか!?」


「・・・・うん。ごめんね鬼束君。

実は今日呼び出した本当の目的はちょっと違うんだ。」


「・・・・?」


「君にちょっと頼みがあるんだけど。」


「はい・・。」


なんだろう?


いつもはボソボソと喋るマスターなのに、
今日はすごく流暢に微笑んでくる。



「君の好きな子いるでしょ?
広瀬ヒトミさんだっけ?」


「・・・・はい。」