代われるものなら代わってあげたい。



「光莉はー?」

「私?」

「ん。もう、足もおでこも平気ー……?」

「ああ、うん! もうすっかり治ったよ!」




こもりんが言っているのは、球技大会のときの怪我のことだ。


どちらも病院で診てもらったところ、大した怪我ではなかったのだけど、だからってすぐに完治したわけではなかった。



おでこは派手に擦りむいていたため、かさぶたが完全に剥がれるまでには時間がかかったし……、場所が場所だけに、もう、とんでもなく恥ずかしかった。


それに、かさぶたが痒いのなんのって。



くじいた方の足は、しばらくの間けっこう痛くてひょこひょこ歩きするしかなかったのだけど、もうすっかり良くなった。

数日前までは湿布を貼っていたのだけど、もう貼らなくてもよさそう。




「そっか、よかった」

「えへへ」




こもりんがほっとしたように言うから、思わずへらっと笑う。


だけど、さすがに言えない。
治ったばかりのおでこを今日、思いっきり壁にぶつけました────なんて、ね。


ひとり、苦笑いを浮かべつつ。