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その日の夜。
夕ご飯を終えて、お風呂からあがって。

さあ寝よう、と電気を消したそのタイミングでスマホの着信音が鳴り響いた。




「え、電話?」




誰からだろう、こんな時間に珍しい。
眩しく光っているスマホの画面に目をこらす。


同時に睡魔が襲ってきて、ふわわ、とあくびが零れた。

いけない、いけない。




「もしもし……?」




結局、名前をよく確認しないまま電話をとる。




「もしもし、光莉?」

「こもりん……!」

「うん、小森です。っ、ごほごほっ」



寝ているはずのこもりんを起こすのは忍びなくて、最近はずっとメッセージのやりとりだけだった。だから、こもりんの声を聞くのは久しぶり。


嬉しい、けれど。

直後聞こえてきた、咳き込む音に、嬉しさはかき消されて心配ばかり大きくなる。



「だ、大丈夫?」

「んー……、あまり大丈夫ではないかもしれないー……」



いつもしゃきしゃきとした話し方のこもりんだから、間延びした喋り方というそれだけで、しんどさが十分に伝わってくる。



うう、そうとう辛そうだ。