「うーん、まだ回復しないみたいで、今日も休んでるの」
「それは心配だね……」
実は数日前からこもりんは体調を崩して学校を休んでいる。
こもりんも私と同じでめったに風邪をひかないタイプだから、みんな心配しているのだ。
そのうえ、こじらせてしまったみたいで長引きそうだっていうから、ますます心配がつのる。
「お見舞い行きたいんだけどね、こもりんが移したらだめだからって……」
「こもりんらしい」
ほんとうにそう。
しんどいときにまで、周りに気を配ることを忘れていない。
そのままこもりんの話を続けていると、それを遮るように次の授業がはじまるチャイムの音が鳴り響いた。
「やば!早く行かなきゃ、また今度ね!」
移動教室のために廊下に出たのに、それを忘れてついつい話しこんでしまった。
慌ててみなみちゃんに手を振って駆け出す。
そのあまりにも慌ただしい一連の動作にみなみちゃんが吹き出したのは言うまでもない。