「…菜摘?」


そのとき、私の後ろにある階段から、お父さんたちがやってきた。


……お母さん、目、赤い。


「…はは。」


こんなときなのに、笑いが出てきて自分でも驚く。

でも、それと同時に涙も込み上げてきたのを感じて、ぐっと堪えた。


「菜摘、部屋に戻ろう?」

「…結果、聞かせてよ。」


部屋へ行こうと足を進めるお母さんに言い放つ。


「体調不良だ。疲れが溜まっていたんだろ。」


俯き、なにも言わないお母さんの代わりにお父さんが口を開いた。