「それでは、こちらへ。」


お父さんとお母さんは、新川先生について出ていった。


「…あ、えっと。」


ふわふわと目を泳がせる水沢さん。


「ふふ、本当に新人さんなんですね。」

「そ、そうなんです。ついこの間正式に就職したばかりで。」


思った通り、若そうだって思ったもん。


「私、高校1年です!患者さんとか思わなくていいので、仲良くしてください!!」


そう言うと、どことなく固かった水沢さんの表情がふっと緩んだ。


「そっか、じゃあお言葉に甘えて!菜摘ちゃんは学校で何て呼ばれてるの?」

「えっと〜…菜摘とかなつ、なっちゃんとも言われます。」

「なっちゃんって可愛いね、私もそう呼んでもいい?」


元気に笑った水沢さんはやっぱり可愛くて、友達同士というふうに考えたら固くならないでいられるようだった。