少しだけ暗くなっている部屋。

正面に新川先生が座って、難しい白黒の画像がパソコンに映し出される。


「……病名は、悪性リンパ腫です。」

「悪性、リンパ腫………」

「脳に、悪性の腫瘍ができています。少し、発見が遅れはしましたが、まだ手術で取り除ける大きさですし、治らない病気ではありません。」


新川先生の言葉に、私はほっと胸を撫で下ろす。


治るんじゃん。

手術は怖いけど、治るなら大丈夫じゃん。


だけど、そんな楽観的な考えは、次の瞬間に消え去った。