ーーーそして、ついにバレンタイン当日。

放課後翔夢を体育館裏に呼び出し、来るのを待っていた。


あれから本当に大変だったわよ。

料理を全くしない私は失敗ばかりで。

ママに手伝ってもらって、なんとか完成することが出来たのはいいんだけど……。


もー二度とごめんだわ‼

この私に作らせるなんて、どういうつもり!?

この借りは倍にして返してもらうわ‼


そう一人で悪態ついてると…。


「美織様~お呼びでしょうか!?」

翔夢が嬉しそうにこっちにやってくる。

まるで尻尾を振りながら甘えてくる、仔犬のように……。