「チーズタルト買ってきました。」
 

 話が終わったタイミングで、紙袋を抱えた黒葉が葵音たちの元へ戻ってきた。
 彼女の買ってきた袋からは、甘くて香ばしい匂いがしており、累は「ありがとう!さっそく、みんなで食べよう。」と、満面の笑みでチーズタルトを受け取った。


 焼きたてのチーズタルトを3人で食べていると、黒葉が遠慮しながらも、「あの……。」と話を切り出した。


 「葵音さんも、累さんに占ってもらったんですか?」


 心配そうに聞く黒葉に、累は隠すつもりもないのか、「そうだよ。………結果が気になるのかな?」と、ニヤリとした少し悪い笑みを浮かべながら返事をした。

 
 「はい。累さんの占いは当たるので……気になります。」
 「うん。素直な子は好きだよ。」
 「………累、調子に乗るなよ。」


 葵音は、「余計なことを言うなよ。」と、言う意味で言ったが、累は理解しているのか、していないのか、「わかってるよー。」と、軽い調子で返した。


 「葵音はね…………これからも、苦労するみたいだからさ。黒葉ちゃん、支えてあげてね。」


 葵音はため息をついてしまったけれど、黒葉はその言葉を聞いて、力強く頷いてた。


 「任せてください!私は、そのためにいるので!」


 と、真剣な表情で返したので、累は満足そうに微笑んで「ありがとう。黒葉ちゃんも、気を付けるんだよ。」と、優しく言葉を返したのだった。