13話
「僕は、影浦累。葵音とは腐れ縁でね。君の名前は?」
「先ほどは驚いてしまってすみません。…………平星黒葉です。」
「平星………ね。」
「………。」
「おい、累。黒葉を怖がらせるなよ。」
何故か累を交えて遅めの昼食をとることになった。
フードコートに行くと平日のお昼過ぎとあって閑散としていた。
葵音と黒葉はハンバーガーを、そして累はイチゴパフェを食べている。
それをジーっと黒葉は見つめていた。
「累は極度の甘党なんだ。昼御飯が菓子とか普通だからな。」
「それは昔の話しだよ!今はお菓子じゃなくて、フルーツを食べるようにしてるんだ。」
「………フルーツよりクリームの方が多いと思うけどな。」
葵音はげんなりしながらも、久しぶりのやり取りでついつい笑顔になってしまう。
「それじゃあ、黒葉ちゃんが葵音の家政婦さんをしてるんだ。しかも、住み込みで!」
「はい。葵音さんにはよくしてもらってます。」
「そっかそっかー。いいなー、僕も可愛い女の子なら家政婦さん雇おうかな。」
「……確かに、累の食生活を管理してくれる人が必要かもな。」
そんなやり取りを黒葉は楽しそうに見つめていた。すると、累がじっーっと黒葉を見つめ始めた。
初対面の相手に見つめられているのだ、黒葉は戸惑いながら、累を見返すと累は「黒葉ちゃんは占いに興味ある?」と聞いた。
「え………。」
「こう見えても累はよく当たる占い師なんだ。俺もよく見てもらってるんだ。」
「そうだよー!今日の午前中も予約でいっぱいで6ヶ月待ちだよ。そんな占い師累が、黒はちゃんの未来を当てちゃいましょう!」
「私の未来………。」
いつものように明るく陽気な累に対して、黒葉はとても真剣な表情をしていた。