『葵音さんとは、どこかで運命的に出会うのかなって思っていたけれど、やはり恋は動かないとスタートしないんですね。
初めて葵音さんに会った瞬間から、私は恋をしました。
星詠みの力で見たネックレスをした人を見つけた瞬間、胸が高鳴って、急いで声を掛けて………どんな人だろうって思ったら、とってもかっこよくて、話しやすくて、優しくて。
この人が私の運命の人なんだって思ったら、すごく嬉しかったし、守りたいって思ったんです。
それからは無茶なことばかり言って、すみませんでした。でも、早く葵音さんの事が知りたくて、そして好きになって貰いたくて、必死だったんです。だから、許してくださいね。
葵音さんを好きになって、そして恋人になれた日々は、私にとってはジュエリーのようにキラキラしていて、大切な物でした。
ただ話すだけで楽しくて、寄り添って座るだけで安心して、キスをするだけでドキドキして、抱き合うだけで幸福感を感じられて。
葵音さんが好きだな、と思える日々が今までで1番素敵な時間でした。
そんな葵音さんを守れるなら、私はどうなってもいいって思ってました。
けれど、怖いです。失敗するのも、葵音さんを守れないのも………自分が事故に遭うのも。
ずっとずっと運命の人を守って死ねればいいと思っていたのに、怖くて逃げ出したくなるんです。
そしたら、葵音さんが危ないのに。
弱いな……ううん、大切な人が出来ながら弱くなったのかもしれません。
失いたくないし、まだまだ一緒に居たい。
そう思ってしまうから………。