ホームルームが終わった途端に先生は教室を出ていく。
わたしはその後に教室を出る。
部活に入っておらず、やることも無いから帰るしかないけれど、毎日一番最初に教室を出る。
友達なんて興味無いしいりません、というような顔をして。
そんなことをする必要なんてないのかもしれない。
けれど、せめてもの救い意地だった。
校門を抜けてからどこかへ行くことは無い。
ただまっすぐに家に帰る。
新しくオープンした雑貨店やおいしいスイーツの店に興味がない訳ではない。
でも、わたしはあんな煌びやかで華やかな空間にいたら1人で浮いてしまう気がする。
電車から見える風景は、面白かった。
冬に近い今、とっくに紅葉は終わり、木は木枯らしに吹かれている。
携帯電話の電源を入れると、知らない番号から電話がかかってきていた。
……誰?