特に代わり映えのない毎日。



それの象徴のように、今日も机が無かった。



良くやるよな、と思いながら思い当たるところを探していくと、中庭に落ちていた。



……漫画みたい。



それが現実なんだけど。



自分でつっこみながら階段を降りて机を持ち、降りてきた階段を上る。



何も物を盗られないように鞄には常にその日に使う科目が全て入っている。



……暇人の分際でやってくれるよな。



本人達に面と向かっては言うことの出来ない事を毒づきながら教室に机を入れる。



くすくすとわざとらしく聞こえる笑い声はエリの取り巻きのマナミとアイ。



くだらない。高校生にもなって。



何も見えない、聞こえていないかのように平然と席に着き、本を広げる。



それもいつもの流れ。



エリが来たら本格的に始まる。



逃げることは絶対に許されない。



一度、逃げた時に後ろから蹴りを入れられたから。