ほら、三日前の私はその事故で頭でも打ったんだ。
なんとも意味の分からない言葉ばかりを並べている。
記憶媒体?んな大げさな。
ただの日記でしょう。
ええっと、なになに?
私は事故に遭って、それで?
―事故はひどいものだったらしい。
よく覚えていないんだけど、ひどかったんだって。
それでね、そこでお父さんとお母さんは
亡くなったの。
なんとも不謹慎な。
お父さんたちが死ぬわけないじゃない。
ひょっとして喧嘩でもして
腹いせにそんな冗談を書いてみたとか?
そうだったとしても笑えない。
言っていい冗談と
言っちゃいけない冗談くらい弁えているつもりだ。
―両親を亡くした私は、施設で暮らすことになった。
今いる部屋がそうだよ。
そこで私は生活するようになったの。
施設長は私のことをよく理解してくれていて、
優しい人だよ。
だから安心して暮らしてね。
ここまで読む頃には多分、
施設長が顔を出してくれるはずだと思う。