施設長の言葉に顔を上げた尚央は、
私を見つめるとにっこりと笑って私を抱き上げた。
プロポーズなんて初めてされた。
まだ顔が熱い。
それでも私は嬉しそうな尚央を見て、
飛び切りの笑顔で笑った。
この日は私にとって最高に素敵な日になった。
それを明日の私が覚えていなくても、
きっと尚央が何度でも私に幸せをくれる。
何度だってやり直しがきくこの恋を、
私は一生大事にしていきたいと、心からそう思えた。
*
何度だって繰り返す。
それでも私は、何度だって君に出会う。
心が君を、おぼえてる。
記憶がなくなろうとも、何度も、何度も。
今日も私は、あなたのことが好きだった