顔はそっくりな双子なのに、どうにも馬が合わない侍女たち。

口論が過熱しそうな雰囲気を察したセシリアは、困り顔でふたりの間に立つと、諍いを鎮めようとする。


「お願いだから、喧嘩しないで。ツルリーもカメリーも、わたくしの心配をしてくれているのは、よくわかるの。ふたりとも間違えていないわ。だから、仲良くして?」


すると言い争うのをやめてくれた双子だが、今度は矛先が、セシリアに向けられてしまった。

カメリーが王女の右腕をガシリと掴み、真顔で問いかける。

「では、セシリア様は私の想いを汲んで、お茶の時間まで大人しく、自室で待機してくださるということでよろしいですか?」


ツルリーも負けじとセシリアの左手をぎゅっと握り、笑顔で聞いてくる。

「セシリア様は、私の提案の方を受け入れてくれますよね? だって、クロード騎士団長に会いたくて、ウズウズしているはずですもの」


「え、ええと……」


「さあ、私たちのどちらの意見を選びますか?」と声を揃えて詰め寄られ、セシリアはオロオロとうろたえる。