「知り合い?」

「ま、まぁ……」

「詳しく聞かせなさい」

「そ、それは、ちょっと……」

「聞かせなさい」

「あ、は、はい……」



煮え切らない私の返事に、むずむずするらしく、それぞれ定食を受け取り、汐里は私をテーブルへ急かす。



「で? あのイケメンさんとは、どういう関係なのよ!」

「それは……」

「……まさか、二股? いつの間に、そんな器用なことが出来る子になったの?!」

「ち、違うよ! そんなんじゃない!」

「じゃあ、どういうこと? かなり親しげだったよねぇ」



口ごもる私に、ますます前のめりになって聞いてくる。

これは言わなければ、午後の業務に帰してくれなさそうだ。



「あのね、私の行きつけのお店があって……」

「うんうん」

「そこで出会った人なの」

「ほぉほぉ」

「そこで、出会った人……なの」

「……それだけ?」



汐里がずっこける。

これ以上は、何と言ったら、表現したら良いんだろう。

カウンセリングのことは、出来るだけ伏せていたい。