波人はそう言いきって俺の隣を素通りした。





「なんだよ。、、、、、、なぁ、冬羽。なんであいつなんだよ。」





俺はそれだけ呟くと、頬を叩く。




「ダメだ。早く行かなきゃ。」




俺は荷物を取りに部室に急いだ。




そして、昇降口に戻る。




昇降口前にスマホを見ている冬羽の姿。




その横顔が夕焼けに照らされて綺麗に見えた。





「冬羽っ!!」




俺が呼ぶと冬羽は俺に手を上げて、スマホを片手に走ってきた。




「おつかれ、早輝!!」




その笑顔を俺に向けてよ。




「うん、帰るか。冬羽ん家ってどっち?」




こうやって隣にいてよ。




「んとねー、駅と逆。」




俺なら絶対傷つけないよ。




「俺も!もしかして家近かったりして。」




泣いてたらまた俺が笑顔にするから。




「そうなの!?近くにケーキ屋さんあるんだけど。」




相談だって乗るから。





「俺の家そこの後ろ。」





全部心配なこと俺にぶつけてよ。





「ほんとに!?」




うん、だから、冬羽。





俺のこと、ちゃんと見てよ。