冷蔵庫の中身をほとんど食べ尽くし、足と口を使ってペットボトルを開けてまだ喉につかえていたものを流し込むと、また壁に背を預けて座り込んだ。

猛烈な眠気が襲ってきた。

眠りに落ちる直前、愛しいひとの横顔を見た。

首の肉が彼女の頭とくっついてしまって動かないので、目だけ動かして彼女を見た。

彼女の再生はもうほとんど終わりかけていた。

形のいい鼻の頭と、軽く瞼を閉じた左眼が見える。

その半顔は生前と全く変わらず―  いや、それ以上に美しく輝いていた。

まつげが軽く震え、彼女の生を感じ、幸福感に包まれる。

同時におれの体が、凄いスピードで彼女と融合していくのを感じた。

細胞と細胞が混ざり合い、溶け合う音が聞こえた。

おれは安心して眠りについた。


ながい眠りになりそうだった。