おれは泣きながら妹を抱き起こすと、その小さなからだを両腕の中に包み込み、壁を背に座り込んだ。

力の抜けた首がぐにゃりと曲がり、見開いた目がおれを見た。



そのままの姿勢で何日も過ぎた。腹はすかない。体の中は悲しみが膨れ上がり、他のものを入れる隙間が無い。

ただ涙が止まらない。



開いた妹の口の奥から、形容しがたい臭いがし始めた。おれはすぐに彼女の口を閉じようとした。だが硬直したそれは動かない。

渾身の力を込め、彼女の顎を押す。乾いた木が折れるような音がして、歯が噛み合わさった。

こんな臭い、妹には相応しくないんだ。



・・・白く美しかった肌がいやらしくぬめつきだし、からだ全体が醜く膨張し始めた。



まぶたの奥で何かが動いている。そっとめくると、たくさんの蛆がこぼれ落ちた。



頭髪が腐った頭皮と一緒にずるずると、床に落ちていく。おれはまだ泣き続けている。いまだ泣き死ぬことができない。