俺が机に向かうと、もうすでに他の四人はいた。

あそこにいる、一人だけ、明らかにこの店には不釣り合いな豪華な椅子と机に座って、おまけに執事までいるあのボンボンは、さっき俺の日記に文句を垂れやがった、羅生門愛人(らしょもん まなと)だ。執事の名前は、たしか大野(おおの)。よく気が利く執事だ。羅生門は、時々、常人には理解できない言動をする。両親は二人とも政治関係者で金持ちだからな。ちなみに高校は、エリート高校を中退。そして、こいつは究極の親のすねかじりだ。

そして、あそこにいる、イケメンなのにピンクのいかにも女子なネイルをしているのは、佐藤勝太(さとう しょうた)。見た目は芸能人ばりに、かっこいいが、いわゆるオカマだ。店長のことがお気に入りで、筋肉質が、たまらないらしい。
高校も、自分のお気に入りの先輩が卒業してしまい中退。

そして、ソファで寝ているのが、哀川礼(あいかわ れい)。いつも寝てばかりで、日本一といっても過言ではないくらいの、面倒臭がり屋だ。高校も行くのが面倒臭くて中退。この店に就職するまでは、ニートで引きこもりだったそうだ。だけど俺たちは知っている。こいつの芸術的才能を。だけど、だるいのか、極たまにしか絵は書いてくれない。

そして、なぜか俺の机に座っているのが、橋本晶(はしもと あきら)。究極のマザコンで1日に3回は、母親に連絡をしている。また、その母親も橋本のことを溺愛している。家庭は橋本が高校も二年生の時に、離婚して母子家庭となり、家庭の金銭的理由から、高校は中退して、この店に就職したらしい。だから橋本はこの五人の中で一番先輩になる。お菓子に目がなく今もポテトチップスを…ポテトチップス…??