十五夜。

「中秋の名月だなあ」とイデアル。
女子高生だ。
「だよなあ」と俺。

中央区の商店街だ。
煌びやかなイルミネーションだ。

それが文明の灯であるように・・・

「九月十三日は月見、十五夜だね」と長月遥。
「で、彼岸だ」とイデアル。(注;彼岸とは春分と秋分の前後七日間で、秋分は九月二十三日とされる)

夜空を月が照らしていた。
曇り空だったが。

「星空とは灯台だね」と長月遥。
「なあ。
長月、橘。

星空はずっと過去から来た光なんだ。
地球から二万八千年の光速の距離が銀河中央部までもある。

銀河の大きさが長径十万光年ほどだ。

アンドロメダ銀河までは数百万光年ほどか。
星は過去からの光なんだよ」
続ける。
「そして同時に多くの物質が恒星の一生とともに生まれた。
したがって、我々は地球や星へと帰還するべきだと感じる」

銀河の謎。
物質を突き止め、その成果によって一定の自己の権限を樹立する。
そうイデアルは考えて、科学などを慎重に探索していた。