初夏来る。

「春だなあ」とイデアル。

長月遥は外をぼんやりと見ていました。教室から広がる空。

「曇り空ね」「それでも初夏であり、春だ」とイデアル。

リンネが介入する。

「梅雨の時期の空は変わりやすい。
だから日々のその日の空よりも大局を見るべきだ」

長月遥がいう。

「しかしそれでも空は曇り・・・」
それをイデアルが遮る。

「いずれ夏がやってくる」

とふと空に日差しが立ち込めたかと思うと、強い太陽光が教室を照らします。

「あるいはこういうべきかもしれません」と長月遥。

「バースライト(誕生権)、と」