早春の雨。

春、西から雨雲が近づく。

長月遥がスマホを見ながら言う。
教室で。

「今日は生憎の天気ですね」

「ああ、寒いしな」と俺。

「こういったときは占いなどへの期待が高まります」
と長月遥。

SNSでアカウントをフォローしているらしかった。

「そうだ。
薬膳(やくぜん)なんてどうだ?」とイデアル。

「薬膳?」

「気象番組で言っていたんだよ」とイデアル。

話は尽きず。
こうして日々が過ぎていくことに感謝するのだった。