[余暇の楽しみと原住民]

「暑いなあ」とイデアル。教室で下敷きをあおぎながら。
コロナ禍は楽しみを奪っていったのだ。

長月遥が提案する。

「図書館で、ツバメ号とアマゾン号を借りて読みましょう」
そういえばツバメ号とアマゾン号は国民的と呼べるものをこのちいさな集団にもたらしていたのだが、すぐには気付かない。
「で、任天堂スイッチのどうぶつの森で、ランサムごっこをするわけか」とリンネ。

「遊びや玩具は平和産業ですから」
「それはそうだなあ」

イデアルたちは教室で会話。

「登山なんてのもどうだ」「いいですね。それ」

しばらく沈黙が流れた。
「余暇の楽しみと原住民だなあ」
早急に答えが出るとはイデアルらは考えていない。