女子高生イデアルは登山をしている。五月の天気は暑かったが山に入ると木陰の涼しさを感じた。

山からは雨とともに土や栄養塩が川に流れ、それらが海にむかう。

土は海岸や河川で堆積する。その影響を取り除くためにひとびとは土木構造物を作ってきたもの。

すべては輪廻ともいうべきものなのだ。
晴れ間だ。風が谷筋を吹いていた。

イデアルは立ち止まると荷物をたしかめた。