・デンジロウやソリス、アンリ先生。

「憧れの登場人物か」とイデアル。
長月遥からの質問に。

イデアルはふと躊躇いを覚えた。
カタリナ少尉のリンゴの話。
物語にはしばしば繰り返しと忍耐が必要とされるもの。

「デンジロウだと思うな」
「デンジロウですか」

「そう。
さすらい人で、異世界に流れ着いた人で技術を人々に教えた。
日本人で明治期の人だと思われる」

「それは何という小説?」
「転生王女シリーズだな」

デンジロウも忍耐強い人だったからだ。とそうイデアルは感じた。