初心忘るべからず。

「はあ。
なぜ大人になるとかえって小説が書けないんだろう?」と長月遥。

「それは簡単に言えるな」とイデアル。

描いていたイラストのノートを畳むと。

「さいふうめい氏の言葉を借りると、技術がいるものは年功というものが出てくる。
つまり年を重ねると見栄を張るようになるんだよ。

そうなると頭が回っても勝てなくなる。
勝負で負けるのはたいてい見栄を張るようになるから。
結局小説やイラストなどもどれだけ初心を忘れないか、ということだよ」
とイデアル。

長月遥は再びノートを広げた···
書きかけの小説だ。
プロット。

その完成がいかに楽しかったのか。
とそう長月遥は思い返す。
イデアルがいう。
「さらに小説には読者がいることを忘れてはならない。
一方的な考え方ではなく、風通しをよくすることも必要」
「風通し」
「FGOのジャガーマンとかだな」

そう言うとイデアルはノートを広げた。イラスト。