春昼。

昼休みに。

イデアルと俺、長月遥はお弁当を食べる。

季節は陽気に包まれていた。二月の末だ。

「一気に暖かくなりましたね」と長月遥。
嬉しそうだ。

「そうだなあ。
季節って不思議なことに巡ってゆくものなんだなあ」

とイデアル。

俺はお茶を飲む。
と、いつの間にか緑茶から麦茶へと変わっていることに気づく。

まだ冷える時期、花冷えするから母さんもそんな気遣いはしなくてもいいのに。

と俺は思う。

一方で水筒に入ったそれを指摘するのもどうかと躊躇われた。