ついに約束の日となった。



「局長達、あのコどうするんだろうなー」


「さぁ?でも所詮は女だろ?
それならだいたい結果は見えてる、無理だろー」


「はぁ?お前馬鹿じゃねぇの!?あの土方副長が日中のほとんどを割いてた愛弟子たぜ?」

「あぁ、俺達平、軽く負かされるって聞いたぞ。」

「うっそ、そんなに強ぇの!?」


「まぁ、副長は愛弟子の入隊が決まったら、そりゃうれしいかぎりだろうな。」




屯所内では瑠璃の噂で持ち切りだった。
瑠璃の人並みならない努力は隊士のほとんどが知っていて、少なからず期待をしている様子。


その頃、瑠璃は自室に控えていた。




「瑠璃。」



部屋の外から声が聞こえる。
沖田だ。



「はい。」

「近藤さんと土方さんが局長室でお待ちですよ。」




正座の体勢を崩さないまま、大きく一つ深呼吸をし、すくっと立ち上がった。




「はい。ただ今、参ります。」





蒼色の左右の目に、曇りはない。