美「あと、一人」


隊1「ひぃ、、やぁぁぁああ!」


美「うるさいなぁ、声出さなきゃ振れないの?」



隊士がつきをいれてきたのを美夜はスッと避け、


後ろに回り込み、首に木刀を当てた


美「はい、終わり」



美夜の動作は舞を踊るかのように綺麗で


洗練されていた


沖「勝者、桜河美夜!両者、礼!」


美・隊士「「「有り難うございました」」」


土「まさかぁ、こんなにあっさりとやられるとわなぁ~」


藤「すごい!すごい美夜!」


美「有り難う」


原「やるなぁ~美夜ちゃん、またお手合わせ願いたいな。槍はできるかい?」


美「槍をしたことはない」


原「そうかぁ~」


新「柔術の心得もあるとわなぁ」


一「さすがだな」ナデナデ


斉藤は美夜を撫でていた


美「うん」


土方はそんな二人を見てもやっとした気分


なった



土(なんだろうな、この感じは)


沖「美夜さん!手合わせをお願いします。純粋な剣技であなたとやりあってみたい」


土「あいつから、あんな真剣な申し込みは珍しいな。いつももっとやんわりしてるのにな」


美「いいですよ、剣豪との手合わせは願ってもないことです」


沖「じゃあ、今からやりますか。」


美「いいですよ、しましょうか」



沖田のいつものふわふわとした柔和な雰囲気は消え、美夜は不適な笑みを浮かべ妖艶な雰囲気を漂わせた


どちらも手練れであることが雰囲気からビシビシと伝わってくる


見物している者はこの対決を今か今かとじっと見つめていた
土「では、始め!!」



土方の合図と共に美夜と沖田の雰囲気が代わった



沖「ふふ、美夜さんさすがですね。でも、私は負けませんよ!」


そういって沖田は美夜に打ち込んできた。さすが天才剣士と言われるだけあって速さ、鋭さ共に先の隊士とは比べ物にならなかった


美夜はそれを最小の立ち回りで避けた


沖「さすが」
美「無駄口が多いですよ」


そういって美夜は沖田の胴を狙うが沖田はそれをしのぐ。
そんな攻防が続いていた


沖「はぁ、美夜さん本気を出してください」
美「そちらこそ」


両者の雰囲気がまた変わった、これまでの刺すような威圧でわなく道場全体を飲み込むプレッシャーの渦のようにみているものには感じられた


隊「「「っ、、」」」
土(ふっ、総司とここまで張り合うかよ)


土方は威圧されながらも笑みがこぼれた。剣豪との対面を喜ぶ一剣士として。


▼沖田side
美夜さんとの勝負は面白い!それにまだ美夜さんは本気を出していない


「はぁ、美夜さん本気を出してください」
美「そちらこそ」


わかってたのか、、

ふっ、不覚にも笑みがこぼれる。こんなにもワクワクする試合はいつぶりだろうか!


「!!!」
本気の美夜さんは木刀を左手一本で持ち脱力したか前をした。何か分からないが、威圧される


幹「「「!!!」」」

隊「なんだ、あいつなめてんのか?」


なめてる?バカ言わないでよ。なめてるどころかこんなに緊張するのははじめてだよ。ほんっと面白い!


これはあれ出さないと勝てないかも


「ふう」

私は構えた



原「総司、あれをやるつもりか!」


平「それはヤバイよ!!」


隊「これは勝負あったな」


斉「、、、」




ふと私が美夜さんをみると美夜さんは笑っていた


「やぁ!」


三段づき、これなら美夜さんも


サッサッサッ!
カンッカンッカァン!


うっそ、、



新「あいつ、総司の突きを左手で弾きやがった、、、」


土「これは驚いた」


斉「!!!」



私のこれを弾くなんて、あんな細い片腕で、、


美「そんなに、驚かないでくださいよ。これからですよ」


美夜さんはそうやって笑っていた

っっ来る!!


サッ!!


次の瞬間美夜さんの木刀は私の首にの横に来ていた

「!!!」


とっさに屈んで避けたが次は額を狙って突きが来た

カァン!!

「っっ!」


とっさに木刀で受けた腕がしびれている。


ほんっと、どこからこんな力だすのさ!


土「総司が押されてる」


美夜さんの攻撃をしのいでいたが次の瞬間私の持っている木刀が弾かれ、美夜さんの持っている木刀が首に当てられた


ま、け、た。

「ふっ、美夜さん、強いですね」
美「そちらこそ」


土「しょ、勝者、桜河 美夜!! 両者礼!」


「「有り難うございました!」


沖田side end

この組で斉藤と共に一二を争うと言われる沖田が負けた



これは隊士のみならず、幹部、局長にまで衝撃を与えた



隊士は美夜の圧倒的な強さを尊敬し、幹部は美夜のここまでの努力を尊敬した



そんななか、斉藤は一人違うところに驚いていた



美夜は試合が終わると一人道場を出ていった



土方は美夜の強さに一人悲しみを感じていた



彼女はその華奢な体で男の剣豪を倒すまで、どんなにも努力をしたのだろう

美夜は一人庭に来ていた



美「、何で私は左を使ったんだろう」



美夜はそう一人呟いた



それを聞いていたのは沖田、土方、そして斉藤だった



沖「美夜さん、木刀を持つとき右手を上にしていましたよ。美夜さんは右利きです」



沖田は庭で桜を眺める美夜を見ながら言った



斉「なぜ、美夜は左で、、」


土「さあなぁ、あいつにはいろいろあったんだろう。おなごであそこまで強くなるのは筋力的にも血を吐くような努力をしたんだろう」





はじめの朝から数日、美夜は土方の小姓としてお茶を運んだり、掃除をしたりしていた



美「土方、小姓って雑用か?」


土「呼び捨て、、。小姓はそんなもんだ」


美「しゃくだ」


土「はぁ、総司と町にいってこい。あいつは今日非番だ」


美「何で?」


土「必要なもんを買ってこい、あと沖田と茶屋にでもいってこい」


ピクリ
美「茶屋、、、いってくる!」



美夜は土方からお金をもらいサッと沖田を誘って町に出た



美夜は甘いものが大好物であったりする
沖「美夜さん、まずは着物選びましょう!」


美「土方に借りてるからいらない」


沖「何言ってるんですかぁ、そんなぶかぶかなの来てたらいろいろと危ないですよ?」クスリ


美「危ない?まあ、いいや」


沖「はいはい、つきましたよ~。こんにちわ~!」



そうこうしているうちに二人は呉服屋についた。


沖田が挨拶をすると奥から店主であろう女の人が出てきた



「あらあら、沖田はん。何時もおおきに!今日はどないしはったん?」


沖「今日、美夜さんの着物を選びに来たんですよ~」


「あら~、綺麗なお嬢さんやなあ~‼」


美「いや、私は、、」


ばれると思っていなっかた美夜は少しうろたえた


「いくら男もんの着物着てても呉服屋の店主の私は騙せませんえ。言いふらしたりせんさかいそんな警戒せんといてえや」



美「そうですか」


美夜は言いふらさないときいて安心した。
沖田のようすから新撰組御用達なのであろうと感じ、美夜は警戒を解いた