沖田にはそう答える美夜はつきの光に照らされた、その雪のように白い肌に黒い髪、銀の瞳がとてもはかなく見えた


そう答えた美夜の瞳には本当に真っ暗な絶望だけが映ってい

たのだった



斎藤は美夜を抱き締めた


まるで消えてしまいそうな美夜を留めるかのように



土「そうか、話してくれてありがとう」


近藤さんは土方のとなりで号泣していた、土方はそれを横目

で見ながら苦笑した



土「ここにおくのはいいんだが、部屋はどうするかな、、」


斎「俺な部屋でもいいんですが、」


土「いや、俺の部屋にする、お前は隊務で部屋を開けること
があるだろう、あまりこいつを一人にしておくのは危険だ。男装させるがこの容姿はそれでも危ない」


斎「はい、そうですね」


斎藤は土方が美夜を気にかけていることにとても安堵した
土「じゃあ、これでいいな?」


沖「ええ、土方さんとか危険ですよ~!わたしのところにき ません?美夜さん!」


原「いやいやいや、俺だろ~!」


藤「ぼくぼくぼくぼくぼくぼくb グフッ」


藤堂はうるさかったので美夜が近くにあった本を投げた


永「、、平助だいじょーぶかぁ?」


土「うるっせぇ~!!決まったもんはしょうがねぇだろう が!お前らも斎藤と同じ理由で却下だ!!」



そんなこんなで解散になった
土「俺の部屋はここだ、今布団を用意するから待ってろ」



土方と土方に抱えられた美夜は部屋についた


土方は美夜をそっと下ろし壁に寄りかかるように座らせた



美「あり、がとう」



美夜は少し驚いていた


ここまで丁寧に扱われるとは思っていなかったからだ



土「なんだぁ?そんな不思議そうな顔をして」


美「なぜ私にここまでよくする?哀れみか?それとも償い か?」


土「、俺は悪いと思っているが、正直後悔はしていない。お 前が長州のものだという可能性を確かめなければいけなかったからだ。」


土「でもな、お前を気にする理由はな、お前が笑わないから だ、生きることに絶望した目だ。俺はお前の笑うかおが見てみてぇ、そんだけだ」


美「お前は変わってるな、放っておけばいいものを」


土「俺の勝手だからいいんだよ!」



土方は黙々と布団を用意しだした



美「おまえはやっぱり・・・」


土「なんだぁ?」


美「いや、なんでもない」


美(おまえはやっぱり優しいな、)



美夜はクスリと笑い、眠りについた
土「おい、起きろ!」


美「朝か」



美夜はあまりにもあっさりとおきた




土「なんだ、起きてたのか」


美「いや、眠りが浅いだけだ」


土「動けるか?」


美「本調子ではないが、大丈夫だ」


土「そうか、朝飯だ!俺は外で待つからこれに着替えろ」



そういって土方は美夜に男用の着物を渡した、常に道着でい

るわけにはいかないからだ。



美夜は土方が出ていったあと着替えようとした、きがえよう

としたが、、、



美「これ、どうやって着るんだ?」

(土方に聞くか)



美「おい、土方!着方が分からない」


土「は?、、お前、どっか良いとこの娘かぁ?」


美「いや、別に」


美(未来から来たなんて別に言わなくてもいいよね)


土「はぁ、後ろ向いてろ」




土方は着々と美夜を着替えさせた
土「ここだ、まず隊士に挨拶してもらう、お前は俺の小姓として紹介する。いっとくが、男ということで紹介するからな」


美「わかってる」




土方と美夜はなかに入っていった



土「今日付けで俺の小姓となる桜河美夜だ、挨拶しろ美夜」



美「桜河 美夜、よろしく」



(ここから隊士を隊1,隊2などで表します)



隊1「女見てぇだな、弱そう」コソ


隊2「やめとけって、副長に怒鳴られるぞ」


隊3「んでも、綺麗な顔してるよなぁ~、あんなんで剣握れんのかよ」


美「、、その女顔より弱いあんたらに言われたくないな」


隊1「んだと!」


隊3「俺らより強いって無理があるぜ、坊や」


美「ふっ、日頃の所在でさえ隙の生じるような柔な鍛え方をしているやつらには負ける気しないな」


沖「ぶっっ!!!あはははははっ、美夜さんいい点つくねぇ~」


隊1「っち、勝負しろ!!どちらが強いか見せつけてやるよ」


美「いいですけど、」



美夜はそう言うと土方を見た。土方は視線を感じ



土「飯すんでから、おれ・幹部の立ち会いのもと行う」
朝食が終わり道場に美夜達は行った



沖「はい、はい!私が審判やりたいです!」


美「誰でもどうぞ」


土「んじゃあ、総司やれ」


隊1「竹刀と木刀どっちがいいんだ?まあ、その柔腕ならしないだろうがな」


美「木刀に決まっているだろう」


藤「えぇ!美夜、危ねーよ」


美「大丈夫、大丈夫」



美夜は平助の頭を撫でながら答えた



藤「なんか美夜俺のこと犬みたいに思ってたいか?」


美「おしい、子犬だ」


藤「ガーーーン」


美「ヨシヨシ」


新・原・沖「ぶふっ!ゲラゲラゲラ」



隊3「おい!俺らを無視するな!!」


隊1「おい、どっちと初めにする?選ばせてやるよ」


美「ん~、じゃあ同時で」


隊3「んなっ、なめるのも対外にしろ!」


美「なめているかどうかは、やってみればわかるよ」



美夜と隊士二人は道場の中心で向かい合った
沖「では、、はじめ!!」


隊1・2「「やぁぁぁああ」」



二人の隊士は美夜に同時に攻撃してきた

二人の隊士は新撰組隊士なだけありそこらの有


象無象とは違う。美夜の剣技をそばで見たこと


のある沖田以外誰もが美夜が負けると思ってい


た。だが、


美「甘いな」 カンッ、ドゴッッ!


美夜はスッと避けまずは一人の隊士の木刀を木


刀ではたきあげ、わきが空いたところから懐に


入り鳩尾を蹴りぶっ飛ばした


その一連の動作はコンマ何秒かの早業で、幹部


以外は何が何だかわからなかった


その早業に見学者達は呆然とした
美「あと、一人」


隊1「ひぃ、、やぁぁぁああ!」


美「うるさいなぁ、声出さなきゃ振れないの?」



隊士がつきをいれてきたのを美夜はスッと避け、


後ろに回り込み、首に木刀を当てた


美「はい、終わり」



美夜の動作は舞を踊るかのように綺麗で


洗練されていた


沖「勝者、桜河美夜!両者、礼!」


美・隊士「「「有り難うございました」」」


土「まさかぁ、こんなにあっさりとやられるとわなぁ~」


藤「すごい!すごい美夜!」


美「有り難う」


原「やるなぁ~美夜ちゃん、またお手合わせ願いたいな。槍はできるかい?」


美「槍をしたことはない」


原「そうかぁ~」


新「柔術の心得もあるとわなぁ」


一「さすがだな」ナデナデ


斉藤は美夜を撫でていた


美「うん」


土方はそんな二人を見てもやっとした気分


なった



土(なんだろうな、この感じは)


沖「美夜さん!手合わせをお願いします。純粋な剣技であなたとやりあってみたい」


土「あいつから、あんな真剣な申し込みは珍しいな。いつももっとやんわりしてるのにな」


美「いいですよ、剣豪との手合わせは願ってもないことです」


沖「じゃあ、今からやりますか。」


美「いいですよ、しましょうか」



沖田のいつものふわふわとした柔和な雰囲気は消え、美夜は不適な笑みを浮かべ妖艶な雰囲気を漂わせた


どちらも手練れであることが雰囲気からビシビシと伝わってくる


見物している者はこの対決を今か今かとじっと見つめていた