とぼとぼと肩を落として歩く帰り道、町中バレンタイン一色で。

沢山の可愛いラッピンググッズやチョコレートが飾られる雑貨屋さんが至る所で目に入る。

赤やピンク色の可愛い包装紙をみながら、ふとおでんが入ったタッパーをその包装紙で包む想像をしてしまう。
……ミスマッチ極まりない。
もはやネタでしかない。

多賀君のきょとんとしたあの可愛い顔をぶん殴ってやりたい衝動に駆られた。いや、出来ないけど。

色鮮やかなラッピングや包装されたチョコレートを手にはしゃぐ女の子達を横目になんだか羨ましくなってしまって。

「……渡さなくてもいいし、」

1人言い訳をするように雑貨屋さんへ入った。